相談者は、未成年に対する強制わいせつ事件で、警察から任意聴取の呼出しを受けた男性でした。未成年との示談交渉の場合、親権者である親の同意も得なければ、有効な示談を成立させることができません。しかも、強制わいせつ事件では、警察も、被害者と加害者の接触を防止したいと考えるため、グズグズしていると、逮捕勾留の可能性がありました。
警察を通じて早期に被害者と連絡を取り、両親の了解を得て、送検前に示談を成立させることができました。
強制わいせつ事件は、現在、親告罪ではなくなったため、法律上は、告訴がなくても起訴することができます。
しかし、被害者の証言が重要な犯罪であり、匿名での起訴は制度上困難なため、実際は、示談が成立した場合には、不起訴の可能性が極めて高くなります。
ただ、被害者が未成年の場合には、本人はもちろん、両親も怒り心頭の場合が多く、早急に連絡を取って謝罪を行わなければ、後の示談が困難になる場合があります。
また、検察としても、未成年者が被害者の場合、簡単に許してはならないと考えますから、検察送致前に示談できればベストです。警察は、送検する際、処分に関する意見を付記するので、送検前の示談は不起訴を獲得するのに極めて効果的です。