民事訴訟全般に対応
以下のような民事訴訟全般に対応しています。
- 貸金返還請求
- 売買代金・請負代金請求
- 違約金請求
- 名誉毀損・侮辱
- 殺人・傷害等
- 性犯罪
- 不貞慰謝料
- 男女トラブル
- セクハラ
- 認知訴訟
- 交通事故
- 残業代請求
- 解雇無効
- 職場トラブル
民事訴訟の流れ
裁判所は、第一回期日を指定して、原告が提出した訴状と証拠を被告に送達します。
被告の最初の反論を記載する書面を答弁書と言います。2回目以降の反論は準備書面と呼んでいます。答弁書は、通常、第一回期日の一週間前までに提出するように求められます。
第一回期日には、原告側だけ出席し、被告側は欠席するケースもあります。この場合、答弁書を提出しておけば、被告は、答弁書の内容を陳述したという扱いになります。第一回期日は、裁判所が、被告の都合を聞かずに一方的に指定するので、このような欠席が認められています。
原告と被告の反論が尽きるまで、1か月~2か月ごとに次回期日を指定し、反論→再反論→再々反論→再々々反論と続けていきます。この時にも、必要に応じて、証拠書面を提出します。
公開の法廷で証人尋問・本人尋問を実施します。
裁判所は、いつでも和解を試みることができますから、第一回期日で和解を勧告することも可能です。実際、早期に和解の可能性がある場合には、そのような進行をする場合もあります。しかし、ある程度、双方の主張が出そろった時点(尋問の前)か、証拠調べが終わった時点(尋問の後)に和解期日が入ることが多いと言えます。
和解ができなかった場合には、裁判所が判決を書きます。判決は、送達から2週間で確定します。
民事訴訟の基礎知識
「証拠」
- これは証拠になりますか?
- 相手の主張は証拠がないから認められませんよね?
- 証拠がないのですが、訴えることはできますか?
「証拠」をどう評価するかは、事件によって異なります。証拠になるかならないか、証拠が必要か不要か、勝てるか負けるかは、以下の点を考慮して、判断する必要があります。
- 証拠がないことが不自然な事件とそうでない事件がある
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たとえば、性犯罪(強制わいせつなど)の被害なら、客観的な証拠がなくて当然です。映像とか録音などの証拠がないからといって、それだけで負けるとは言えません。しかし、それなりに高額な契約だったらどうでしょうか?普通、契約書があって当然ですし、契約書がなくても、何かしらの文面(発注書とか打合せメールとか)が残っているはずでしょう。同じ「証拠がない」でも、存在して当然のものがないのと、存在しなくても仕方ないものがないのとでは、全然意味が違います。裁判所も、その点を考慮して、証拠を評価しています。
- 供述も証拠である
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「相手の主張には証拠がないのに裁判所は認めるのか?」というご不安を口にされる方もおられます。しかし、厳密な意味で、証拠が全くない主張は、あまり存在しません。なぜなら、相手方本人の供述だって証拠だからです。当然、相手方本人は、自分に有利な嘘をつく動機があるので、裁判所は鵜呑みにできません。裏付けとなるものが全くなければ、簡単には信用されないでしょう。しかし、どの程度の裏付けがあれば信用されるかは、事件や供述内容によって左右されるので、一概には言えないのです。
- 絶対的な証拠はない
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「証拠」というと、一般には、どのような反論を受けても左右されないようなものを想像しがちですが、民事訴訟のシステムでは、反論によって、証拠の評価も左右されます。たとえば、「ラブホテルに一緒に入ったけど、LINEの内容からみて肉体関係はない。」と判断された裁判例があります。この裁判例から、「ラブホテルに一緒に入ったところを写真に撮られても不貞の証明にならない」と考えるのは間違いです。ほとんどの場合、ラブホテルに一緒に入れば肉体関係があったと評価されますし、ちょっとやそっとでは覆らない「固い証拠」です。しかし、超例外的に、それを覆す程の証拠があれば、違う結論にだってなり得るということです。
「証明責任」
証明責任とは、裁判所が真偽不明と判断したとき、どっちに不利な判断がなされるかに関するルールです。たとえば、貸金返還請求事件では、原告が金を貸したことの証明に失敗すると、原告が敗訴しますので、金を貸したことの証明責任は原告にあります。しかし、被告側が、金は借りたが既に返したと主張する場合、返済したことの証明責任は被告にあるので、被告が返済の証明に失敗すると、今度は被告が敗訴します。
相手に証明責任がある場合、相手に証拠がなければ負けないのだから、反論しなくて大丈夫ですよね?
これは良くある誤解で、実際は、そう単純な話ではありません。普通の人は、身に覚えのないことで訴えられたら、何かしら反論するはずです。それなのに、「証拠がないだろ」とばかりに黙っていたら不自然です。そのような不自然な態度は、原告が提出した証拠の評価に影響します。また、上の貸金返還請求事件の例でも分かりますが、借りていなければ返済するはずがないので、返済したと主張したければ、借りたことを認めざるを得ない場合もあるわけです。
平均審理期間(司法統計)
司法統計(令和5年度)によると、地方裁判所の民事訴訟の平均審理期間は10.5か月、原告・被告の双方が出席し、判決まで至った事件では、14.6か月となっています。
途中で和解が成立する場合には、6か月~1年以内に終了することが多く、そうでない場合には、1年くらいはかかると見ておいた方が良いでしょう。どちらかが控訴した場合、控訴審でも最低6か月はかかるため、最後まで争った場合、スムーズに進行しても、1年6か月が目安になります。
弁護士費用
民事訴訟の弁護士費用は、日弁連が定めていた旧報酬基準(既に制度としては廃止されています)を参考に、一部修正して、次の通り定めています。
着手金 | 経済的利益の額が300万円以下の場合 | 経済的利益の8%+消費税 |
300万円を超え3,000万円以下の場合 | 5%+9万円+消費税 | |
3,000万円を超え3億円以下の場合 | 3%+69万円+消費税 | |
3億円を超える場合 | 2%+369万円+消費税 | |
報酬金 | 経済的利益の額が300万円以下の場合 | 経済的利益の16%+消費税 |
300万円を超え3,000万円以下の場合 | 10%+18万円+消費税 | |
3,000万円を超え3億円以下の場合 | 6%+138万円+消費税 | |
3億円を超える場合 | 4%+738万円+消費税 |
※着手金の最低額は21万円+消費税です。
※事件の内容によって増減してお見積もりさせていただく場合があります。
※債務整理・離婚・交通事故・不貞慰謝料・刑事事件については、別途、弁護士費用を定めていますので、該当ページをご確認ください。